台風で倒れたサザンカ(樹齢50年)の抜根

台風 倒木 | 中村園芸・西尾市の小さな植木屋さん (nakamura-engei.com)

去年8月の大したことない台風でまさかの倒木してしまったうちに長年居たサザンカちゃんですが、私の管理不足で根元が腐ってたので倒れてしまったのです。詳しくはリンクをどうぞ

根元は腐ってるしほとんど倒れてるのですが、樹齢50年ともなると結構な太さで根の張り具合もそうとうだと思うので抜くの苦労するだろうな~とは思ってたのですが・・・

これが足でぐいぐいと蹴り起こしたならあっさり抜けました^^ 左の方に太い根がちょっと地面に埋まってるだけだったのですが、これもかなり腐ってるというか枯れてたのでほんとに簡単にほぼ工具を使わないで抜けたのでうれしいサプライズです(笑)

裏のアップ。見るからに腐ってますね。これでは倒れるというか折れるはずです・・・

全体像。椅子か薪割り台に使えそうですが、下がガタガタなのでちょい厳しいか・・・

前、お客さんに「庭木を伐採したあとの切株が邪魔なんだけど?」と聞かれたことあるのですが、庭木処理の労働力、難易度に関しては樹の大きさに比例するのはそうなのですが、一般的な庭木レベル3,4メートルほどまでの庭木なら伐採はほんとに簡単であっという間に終わってしまうのですが、抜根となるとこれがめちゃくちゃ苦労します。

油圧ショベルがあれば簡単でしょうが費用も高くなりがちですし、地中配管や構造物を破壊しないように気を使います。重機が入らないと手掘りするしかありません(3又とチェーンブロックで引っこ抜く方法もあります)。うちの場合重機がないので手掘りということになりますが手掘りだとせいぜい幹直径20cmぐらいまでかな~?ちなみに写真のサザンカは幹が長い方で30cm短い方で20cmです。この人は腐ってたので簡単に抜けましたが健康な樹木だったら「こんなん手掘りは絶対無理!」って思いませんか?(笑)

そうめちゃくちゃ邪魔じゃないならそのまま自然に腐るの待てばよいと思いますが、太い切り株は結構長い年月がっちり地面と密着してます。腐りを早めたいなら土を被せたり湿度を保たせば、微生物の力で分解が早まると思います。シロアリが沸けば一番分解が早いと思いますが、「家の方にシロアリが来たら困る」って思うのが普通ですので、出来れば片づけたいと思う人が多いでしょうね。しかし、人間から嫌われ者のシロアリも自然界では「森の分解者」と呼ばれてて、倒れた木、死んだ木を分解して土に還す重要な役割を担っています、分解スピードが微生物より速いのでシロアリが居ないと森が倒木した木だらけの荒れ放題でえらいことになるようです。

ちなみに抜いた跡に新しい樹木を植えようと思ってたのですが、掘ってみるとやはり太い根っこだらけでスコップがまともに入りません。しかし結構枯れが進んでたのでスコップでザクザクやるとこのようにウッドチップみたいに結構簡単に削れてくれました^^

しかし、根っこを完全には取り切れないのでここに今なんか植えても根が張れないと思うので、1年しっかり腐らせてから来年植え付けようと思います。ウッドチップが腐り肥えた良い土になると思います。

ちなみに植物には連作障害(忌地現象)といって同じ場所に同じ種類の植物を植えるとうまく育たないとう現象が起きることが多々あります。野菜は結構多いので農家さんそういう作物はローテションで場所を変えて育ててます。 庭木だとバラやツツジ類が連作障害が起きやすいようです。

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ジンチョウゲを挿し木する(まだ寒いですが)

先日花瓶に生けたジンチョウゲから新芽が吹いて来ましたので挿し木してみようかと思います。ジンチョウゲは花が咲いてるうちから新芽が吹いてきたりして活動が早いですね・・・

さすがにまだ寒いし、一週間くらいなので根っこは出てませんが、生命力の強い植物だと根っこが出てきたりしますよね?

一般的に生け花や挿し木にする穂は「斜めにカットして吸水率を上げる」と説明されてますが、以前私がとある方に教えていただいた方法は「節挿し」と言って、節のすぐ下で水平にカットする方法です。なんでも節の部分が一番芽や根が出るパワーがあるのと水平に切ったほうがバランスよく周回に根が出て良いとのこと。ナナメに切ると片側だけに根の出現がかたよるのであまりよくないとのことでした。

しかし、私は挿し木はあまりやらないのでこのやり方が正しいとの補償は出来ません。植物の種類によりけりだと思います。発根率の強い植物とかは適当でも根が出るし。弱い植物はかなり気を使っても失敗したりします。一般的に接ぎ木で出回ってる植物は挿し木の成功率が低いパターンか、成長が遅いので接ぎ木したほうが経済的に優位だからです。あと挿し木は容易だがトマトとか病害虫に強い台木に接いだ接ぎ木苗とかも多く出回ってますね。

しかし、この「節挿し」というやり方はたしかに妙に説得力がありました^^

ぐらつかないように赤玉にぶっ刺してたっぷり水をやって終了です^^ 一般的に挿し木に使う土は肥料っけのない清潔な土が良いです。培養土や堆肥でも付く奴は付きますが細菌の影響で赤玉等より腐る確率は高くなると思います。

まだ三月で寒いので正直挿し木にはまだ早いです。挿し木を成功させる秘訣は湿度だと思います。湿度が高いほうが良いです。あと根が出るまでは基本日陰に置いてあまり直射日光に当てない方が良いですね。すぐシナシナになります(笑)

本来まだ寒いので室内に置いたほうがよいですが、私はスパルタなので外置きで成功するかためしてみたいと思います(さすがに軒下で風の当たらないとこに置きましたが)。どうなるかな~? 

↓ 3/14追記

明らかに萎びて元気がないようなので部屋に入れました。レースのカーテン越しの暖かいとこに置いて養生します。  やはりまだ寒い時期の常緑系の植物の挿し木は厳しかったかな? 挿し木は挿し穂選びも重要ポイントですが・・・

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植物が雪より霜に弱いのはなぜ?

この辺の積雪は久々ですかね?うっすらぐらいですけど植物たちが雪化粧して綺麗です^^

よく冬のガーデニングは霜に注意と言われますが、「雪は大丈夫なの?」って疑問に思うことがありますが、前なんかで読んだことあるのですが、雪自体は冷たいのですが、雪に覆われると氷点下以下にはならないので植物にはむしろ凍結防止になってるとのことです。

雪国のかまくらの中が暖かいのと同じ原理ですかね?

で、霜のが植物に害がある理由は簡単に言うと地表面温度の差らしいです。いろいろ調べましたが難しくて頭の悪い私ではちょっと理解しづらかったのですが、雪より霜が降りる日のが地表面温度が低くく氷点下以下になると植物も凍結して弱り最悪枯死するということのようです。

霜害が起きやすい時期は秋の早霜と春の遅霜ということなので、やはり急激な変化に弱いってことなんでしょうね?

ちなみに寒い時期でもがんばってくれる代表の園芸植物パンジーとか耐寒性のある植物がこの時期、朝とか霜に覆われシナシナになってても太陽に当たればすぐ復活するのは凍りにくいように体内に糖分を蓄えるからです。冬のホウレンソウは甘くておいしいですよね?メープルシロップはサトウカエデなどの樹木の樹液ですが冬の寒さに耐えるために体内に糖分を蓄えて凍結するのを防いでるわけです。 コンデンスミルク(練乳)を冷凍庫に入れても凍らないのと同じです。

盆栽たちが雪のふとんにくるまれて暖かそうです^^

実際は冷たいんでしょうけど・・・

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0円正月飾り

毎年恒例の門松(正月飾り)ですが、去年から門松の主役、竹を省いた簡素な正月飾りとなっております。竹があったほうが当然かっこよいのですが、青竹が手に入らないので「まあ、なしでも良いか」という感じで作っております。

飾る日程は28日が8が付いて末広がりで良くて29日、31日はあまりよくないらしいです。私はあまり縁起を担ぐ方ではないので気にしませんが、今年は28日に作ってみました^^

とにかく私はめんどくさがりなので、家に生えてるのを適当に切って挿しただけです。南天と万両はお客様宅で剪定したのを頂いてこの日のために取っておいたものですが、南天はたしか12月上旬頃に切ったのですが年末まで持ちましたね~ 葉っぱはさすがにほとんど落ちてしまいましたが、実はたわわのまま維持しております。

南天は生命力と繁殖力が強いですね。つい先日も南天だらけのお庭でまあどんだけの南天を切ったことか、もうその時は「正月飾りに頂こうかな?」とかそんな余裕もなくとにかくこのうっとおしすぎる南天に嫌気がさしましたのでそんな気も起きなかったのです(笑)

ナンテンは「難を転ずる」と言われて縁起の良い植物として重宝されております。完全に無理やりな語呂合わせだと思うのですが(笑)思い込みというのも大事なので「南天が守ってくれてる」と思えるだけでも精神衛生上良いことだと思います。

ついこないだも仕事中にとても危険なコケかたをして、ほんとに瞬間は「やばい大けがする!」と思ったのですが、奇跡的に擦り傷程度で済んだのもなにかが守ってくれたのかもしれません。どんなに気を付けてても一年に一回くらいこういうことがあるので、ほんとにこの仕事油断すると危ないです。なんにしろ今年も一年無事健康で仕事が出来て良かったです^^

今年も充実した一年を過ごすことが出来ました。あらためてお客様たちへ感謝申し上げます。ありがとうございました。また、当HPへご訪問くださいました閲覧者様、あまりおもしろいサイトではなくアクセス数も少ないですが、園芸好きの植木屋の何気ない日々を楽しんで頂けたら幸いです。

本年もありがとうございました、皆様方が良いお年を迎えますようにお祈りいたします。

中村園芸 中村 勲

香りの効果(青ゆず)

最近、ちょっとしたきっかけでお香に興味を持ち、香りについていろいろ調べたので今日はそのお話をしたいと思います。上の写真はうちに植わってるゆず(花柚子)ですが、まだ青いですね?通常は黄色に色づく秋以降に収穫するのですが、このように青いうちに収穫する青ゆずも少ないですが使われるようです。青ゆずは柚子胡椒に向いてるようです。香りは黄色とあまり変わらないような?青い方がどっちかいうと若干フレッシュっぽいですかね?いい匂いに違いはありません。ゆずは果皮に香り成分がありますので爪で傷つけてやると良い香りが出てきます。めちゃくちゃ癒されます^^

なんでよい香りを嗅ぐとこんなに癒されるのか?というと実は嗅覚は五感(視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚)の中で唯一、脳に直接情報が伝達される感覚だからのようです。嗅覚以外は大脳新皮質という部分を経由してから「大脳辺縁系」という人間の本能や感情を支配している部分に情報が届くようですが、嗅覚だけは直接本能に繋がる感覚のようです。

なので良い香りは癒し効果の即効性が他の感覚より高いようです。しかし逆もまたしかりで嫌な臭いがストレスになるのも早いんでしょうね・・・

現代人はなにかと視覚、聴覚ばかりを使いがちなので、そこに嗅覚の情報も足してあげると脳のバランス?がよくなっていろいろ良い効果が出るそうです(詳しくは「香りの効果」で調べてみてください。

森林浴をするととてもすがすがしくリフレッシュ出来るのは森林が放出してるフィトンチッドという香り成分のおかげらしいので、納得します。(もちろん香りだけじゃなく緑や新鮮な空気などなど複合されてると思いますが・・・)

こういう自然の良い香りは人間が作った香水や芳香剤と違って万人受けすると思います。香水などは自分は良いと思っても他人には臭く感じたり迷惑になることが少なくありませんし、芳香剤に至っては良い匂いというより嫌な臭いに蓋をする感覚で使うもので、積極的に嗅ぎたいと思うような匂いではないですよね?

本物のバラの花の香りを「臭い」という人は少ないと思いますので(もちろん数ある種類で臭いと思うものもあるかもしれませんが・・・)自然の力はすごいですね^^

ちなみに柑橘の香りは自律神経を整えてうつ症状の改善に効果があるようです。柑橘類は酸性が強いので昔流行った輪切りのレモンを顔に貼ったりするレモンパックは逆効果でシミが出来たりしてお肌に良くないので注意してください。とくにお肌に塗ったあとに紫外線を浴びるとよくないようです。

意外なのはよく見るゴールドクレストというコニファーも柑橘系の香りがしますね。剪定したり葉を揉んでやるとすごく香ります。あとブルーアイスも。ちょっと甘めの柑橘系って感じだったと思います。

現代はなにかとストレスのたまる時代ですので日々の生活によい香りを取り入れるとよいかもしれません。私も香りにここまで良い効果があるとは思わなかったので勉強になりました^^

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