ラティスフェンスを竹垣(建仁寺垣)にリニューアル

ラティスが結構傾いてきたので、植栽含めて全撤去して、なにか目隠しに庭木を植えようかどうしようか?というご相談でした。植栽は多分キンシバイだと思うのですが、「たしかに藪状態なので、もうちょいすっきりした植物に植え替えもありかな~」なんて思ったのですが、いろいろ考えて私の方から「竹垣はどうですか?」とお客様にご提案させていただいたのですが、「正直作ったことありませんので練習を兼ねてやらせてもらえたら大変ありがたいのですが・・・」

というこちらのわがままな希望を快くご承諾くださいました^^ 大変ありがたいことです。

最終的に植栽のキンシバイ?は奥様が「結構綺麗な花が咲くから残ってても良いのじゃない?」ということで残すことにしました。ということでリニューアル工事させて頂きます^^

とりあえずラティスを撤去しました。あれはホムセンで売ってるラティス用の金属杭で刺さってるだけなのでわりと簡単に撤去できました。

丸太杭を打ちます。これが一番重要なんじゃないか?と思います。これが傾いてるとその後の作業もグダグダになりますよね? キンシバイも刈り込みました^^

土の中はこのように配管やらなんやら埋まってることが多々ありますので、結構慎重にやらないと悲惨なことになりかねません(笑)

骨組み終了しました~。

竹屋さんのアドバイス通り、上と下は角材にして強度をアップしました。竹屋さんも言ってましたが、高さ180cmの大きいタイプは今はほとんどが角材通してクギでバスンバスンと打って固定してくようです。試験や教科書では丸竹を横に通してシュロ縄で縛っていくだけですが、やはり強度的には弱いようです。動画をいろいろ見てみたのですが、竹屋さんの言う通り、大きいタイプは角材通してエアー釘打ち機でパンパンと固定してるプロの方がほとんどでした。

私はそのあいのこぐらいで製作していきます。

立子をからげました~。これが一番楽しい作業かもしれません・・・

正面は植栽を生かすために竹垣は上半分だけとなります。

傘竹被せてねじりいぼで結びました~。結びを結構練習したのですが、たまにわけわからんくなって軽くパニックになります(笑)

結う時は「シュロ縄は水で濡らしたほうが良い」とか言いますが、手が真っ黒になって仕事がしづらいので乾いたままでやります。安いシュロ縄は結びにくいですね、男結びは手袋してやると結びにくいので素手でやりますが手が痛くなります。

完成しました~^^ 初めての本番のわりには上手に出来た気がする・・・

追加で植栽を囲んでるレンガを撤去して御影縁石に交換します。やはりせっかく和風にしたのでレンガは合わないですしね^^

御影縁石はカーマで買ってもよかったのですが、こちらのお宅様には使ってない御影の飛び石がたくさんありましたのでそれをカットして使いました(エコと節約です^^)

ちょっと時間的に余裕がなかったので適当に切ってざっと置いただけでガタガタですが(笑)

お客様は「これで十分」とおっしゃってくださいました。

↓ before after

↓裏側(内側)

どうでしょうか? 自分ではかなり良くなったと思うのですが・・・

お客様もとても喜んでくださいまして、ほんとにやったことないのに無謀でしたが竹垣をお勧めしてよかったです。 あらかじめ勉強すればなんとかなるもんですね^^

今は本だけじゃなくて動画でも手軽に勉強出来るのでつくづく便利な世の中ですね~。

樹形が今一なマキの木(玉散らし)の改作

こちらのお宅様はかなり立派なお庭で昔ながらの和風なお庭です。松と玉ものメインのお庭なので庭園っぽい作りを意識されたのかもしれません。イヌマキの玉散らし仕立てだけで10本あるのですが、私が気になっていたのは「正直どの樹木も頭がでかい傾向なので少し仕立て直したいな~」と思いました。で、この人は去年あまりに頭でっかちで見てて安定感がないので思い切って上の方をバサバサと間引きして玉をちっちゃく分割してみたのですが、ご覧のとおりかな~りかっこわるい状況となっております(下手くそ)

もちろん大胆な改作をしても、枝の位置配分によってはすぐかっこよくなる場合もありますが、何年かかけて徐々に仕立て直してかっこよくしてくパターンのが多いと思いますのでこいつもまあ改作一年目だししょうがない面もあるのですが、今年の状況を見る限りこのままだと将来性がないっぽい、そもそも頭が飛びぬけてろくろっ首っぽいので「これはダメだ」と判断して頭を断幹することに決めました。

で、上の間延びした三玉を落としてこんな感じになりました。いかがでしょうか?右上の飛び出した玉を切るかどうか悩んだのですが、切ると寂しくなりそうだし、枝の曲がり方がおもしろい動きなので残してみました。正直、この角度だと完全に要らない枝なのですが、この先もうちょい内側に枝葉が茂ってくれたら、使えるかもしれません。

剪定のちょっとした鉄則なのですが、「迷ったら切らない」 切ったらもう取り戻せませんが切らないで様子を見れば、後でまた考えなおせるからです。

別角度。どうでしょうか?自分ではかっこよくなったと思うのですが・・・

この角度だとさっきの切るか切らない迷った枝があるほうが断然良く見えるのです。

あの枝を将来茂らせてあわよくば頭の断幹跡を隠せないかな?と思ってますが(厳しいかな)

でもこの状態でもめちゃくちゃ変ではないような気がします・・・

ほかにも頭でっかちな木がたくさんあります。こいつはマルバヒイラギ。頭を限界ギリギリまで刈り込んでもこの頭のデカさなのでどうしたもんかと悩みます・・・

ウバメガシ。今年は玉をちょっと間引いてちょっとかっこよくなりました^^

この人も頭がデカイですが二段目、三段目の玉もデカイのでバランス的のそれほどおかしくはないです。他にもツゲの玉散らしも頭でっかちなのが居ます。

樹木は頂芽優勢といって、上の方ほど優先的に芽を出して勢いがありますので毎年同じように刈り込んでいても気づいた時には頭がでかくなってたり生垣が高くなったりするものです。なので剪定の基本といたしまして上の方ほど強く切り、下に行くほど徐々にゆるく剪定してくとよいと思います。

お客様に失礼ながら「○○さんちは頭でっかちな木が多いですね」と進言してしまったのですが、こちらのお客様はとてもよい方で、若輩者の私の言い分もちゃんと参考にしてくださったり。いつもおまかせで仕事させて頂いてるのですが、「剪定のやりにくい木だったら中村さんの仕事がしやすいように低くしてもいいからね」とおっしゃってくださったり、とてもありがたくやりがいがあります。

ということで今週は玉もの刈り込み祭りでした~ マキタの小型トリマーちゃんがたくさん仕事してくれました。もうバリカンがないと仕事になりません・・・

ハマヒサカキの花はプロパンガスの匂い

あまり知らない方も多いともいますが有名なサカキの仲間です。私はサカキ、ヒサカキ、ハマヒサカキと覚えています。プロパンガスとか都市ガスは本来は無臭らしいのですが、ガス漏れ時に発覚しやすいようにわざとあの臭いを付けてるようです。こいつはガスそっくりな匂いがして知らない人だと「ガス漏れしてる?」と勘違いするかもしれません(笑)

以前、横浜で異臭騒ぎ(ガス臭)が頻繁に起こったことがありましたが、これが原因じゃないのか?と疑ってますが、時期的に春にも異臭騒ぎがあったのでやはり違いますかね?

こいつは結構道端とかそこらに植わってたりしますので、もし発見したら匂いを嗅いでみてください^^ ヒサカキのが遭遇率は高いですがヒサカキの花もやはり臭いらしいです。どっちもこんな感じの魚の目玉が大量に密集してるよう花が咲きますので判り易いと思います。

自己流の剪定で弱ってスカスカだった黒松さんですが、二年ぐらい?剪定せずに樹勢を付けたら元気になりました。去年は二年ぶりの剪定だったのであまりかっこよくならなかったのですが、今年は葉っぱも短く小枝もすこし増えたのでそこそこ黒松っぽくなりました^^

毎年手を入れればかっこよい黒松に復活すると思います。

ちなみこれは↓去年の剪定後です

ちょっとわかりづらいですが葉の長さと密集度が違います。

カシワ(柏)を剪定しようと思ったら・・・

ハトが子育て中でした。子育て中のハトって結構辛抱強くて人間が近くに居ても無視して温めてたりしますが、この人は僕が「どうせ空の巣だろ~」って急に近づいたのでさすがにびっくりして親御さんは飛んでいってしまいました(ごめん) 後から確認したらちゃんと戻って暖めてました(よかった)

ハトは鳩ミルクというもので子育てするようです。よくツバメが何回もエサ取りに往復する映像を見ますが、ありゃ大変だし親は偉大だな~なんて思いますが、ハトはそういう感じではないようです。ミルクと言っても母乳のような感じではなく口から吐き出して飲ませるようです。

ちなみにカシワは落葉樹ですが冬でも枯れた葉っぱが付いたままです(落葉しません)

春に新芽が出るまで枯葉が落ちませんので、「代が途切れない」ので縁起が良いと言われてて?カシワは昔から縁起木、神聖な木とされています。

ハトもそのことを知っていて、この時期にカシワに巣を作ったんだと思います。普通の落葉樹ですと、この時期落葉して丸裸で外から丸見えになってカラスに襲われてしまいますからね・・・

ブナ科の植物は他にもクヌギとか落葉樹なのに枯れた葉っぱがいつまでも落ちない樹木がぼちぼちあります。見た目もみすぼらしいし、なんで落ちないかは理由はわかってないようです。

黒松の剪定、葉揉み(古葉取り)する、しないを同じ庭木で比較

開業初年度からのお客様で今年で三回目(3年目)の剪定です。立派な門かむりの松ですが、毎年これだけで1日かかります。こちらのお宅様は他にも樹木がたくさんありましてご主人様はかなりお庭作りがお好きだったようです。

初年度は三日見積もりでしたが下手すりゃ五日ぐらいかかるくらいのお庭です。そして去年は2日間、「今年はどうしようか?」ということでお客様とご相談の結果、この門かむりの松を古葉取りしない時短剪定で1日半の見積もりでやりましょうか?ということで話が決まりました。

松は昔から「金食い虫」と言われます。他の庭木より剪定に時間がかかるので当然作業代がかさんでしまいます。植木屋的には松はお金になる樹種で好きな方が多いと思います。私もですが、松はまず手入れすると見違えるようにかっこよくなります。時間はかかりますが剪定枝が山盛りにならず他のやたらビョンビョン伸びる樹木より疲労度は少なめで商売的にもすぐれた樹種だと思います。

昔は松が大人気でしたので古いお宅様にはかなりの確率で植わってますが、松に思い入れのあったご主人様がお亡くなりになった後の手入れで奥様も庭木がお好きなら良いのですが、そうでもないパターンも多々ありまして、また予算の関係もあります。そういう場合は「このような剪定方法もありますよ~」とお伝えしております。

で、今年の剪定後(時短バージョンで葉もみ省略) 通常1日レベルの松が半日で終了しました。

で、上の写真は二年前の2020の剪定後です。これはちゃんと葉むしりもしてます。

どうでしょうか?写真だとあまり変らないように見えますね。しかしやはり見る人が見れば、時短剪定は古葉が垂れ下がって若干みっともないですし、これを同業者の方が見れば「なんじゃこの手抜き剪定は!」なんてバカにされるかもしれません(笑)

最近時短剪定ばかり投稿してるのでうちは手抜き業者と思われるかもしれませんが、普通はちゃんとやります(多分・・・) なにより、うちは基本的に時間給でお代を頂いてますので作業の短縮はお客様のお財布にもやさしいということになります。

反対側から今年のビフォー・アフター

そして2020年のちゃんとした剪定後。 光の加減もありますので綺麗に見えますね^^

「松は手入れにお金がかかるのでもう伐採しようかな?」とお考えの方も多いと思います。立派な松を伐採しなくても時短剪定なら費用を半額に抑えることも可能です。(他業者様が時短剪定をやってるのかわかりませんが・・・) 時短剪定は手抜きといわれるかもしれませんが何十年も植わってる松の伐採を回避する手段とも言えるかもしれません。

ただ何事にも長所、短所があるもので、古葉取りしない時短剪定ですと来年の秋には枯葉が目立って若干汚く見えるという短所があります。

お庭に松1本、他少々でいつも見積もり一日ぐらいのお庭ならちゃんとした剪定をおすすめします。やはり綺麗です。

黒松の時短剪定

前回に引き続き、同じお庭のご紹介です。通常の松の剪定なら1日かかるぐらいの黒松ですが、施主様とご相談の結果、古葉取りしない時間短縮の剪定ということで、3時間ぐらいで終了しました。こちらのお宅様は黒松が計6本あるのですが、この人が一番背の高い松でしたので上まで登った時は結構見晴らしがよくとても気持ちがよかったです^^

今回思ったのですが、大きい松ほど古葉取りしない剪定でも結構見栄えがよくなると思いました。お客様も「これでぜんぜん大丈夫ですね」と言ってましたので・・・

そこらに生えてる10メートルクラスの野性?の黒松は剪定してませんが、別に「ボサボサで変だな~」なんて思わないですからね。普通に「大きい黒松でかっこいいな~」ぐらいに思いますから・・・

ただ、標準的な3、4メートルクラスの庭木の松はちゃんと古葉取りしてあげたほうがやはり綺麗ですわね。

この人が一番樹勢が強かった気がする・・・ 

西日に照らされた樹木は綺麗です(写真で取るとちょっと暗くなりますが・・・)

とても楽しい一週間でした^^