私の散歩コースの歴史公園内にある前から気になってた樹なのですが、いつだったか記憶が曖昧ですが、多分半年前くらいに「えっ?」って思うくらい見た目とかまったく気にしてなくただの物体扱いで(笑)ぶっつぶつに切られてて「なんでこういう切り方するかな~」なんて疑問だったのですが・・・
多分、「西尾城の景観のためにこの樹木が邪魔だったから」もしくは「池の水全部抜くがロケに来たので、それの加減か?」 どっちもあくまで私の予想ですが・・・
前置き長くなりました。このような切り方を「寸胴切り」とか呼ばれてます。丸太のような切り口になって見た目は悪くなるし、切り口からこのように爆発したかのように枝が無数に生えて来ます。
お客様宅でもこの手の切り方はとてもよくあるのですが、植木屋泣かせです(笑)大概、「みっともないので全部切っちゃって」とか言われますが、そうすると毎年同じことの繰り返しになり、年々切り口がコブ状態になり(サルスベリでありがちな形です)生えてくる枝も太くなり切るのも大変だし、とてもかっこ悪くなり、本来鑑賞するべくしてある樹木が邪魔者扱いになってることが多々ありますね~。
西尾城がバックにあります。
どこも予算が限られてますので街の樹木たちは結構ぶつ切りされてます。特に西尾市は道路が狭いので街路樹たちは道路にはみ出た部分は毎年容赦なく切られてますね(笑)しょうがない面もありますが・・・
多分、街の樹木の切り方とか見た目とか気にしてる人はほとんど居ないので致し方ないですね・・・
このブツ切りされた樹木もよくよく見てみると電信棒みたいで樹幹から横枝がほとんど生えてないですね?だから切り戻せないというか、かっこよく小さくしようがない状況だったのかもしれません。
ちょっと光の加減で見にくいですが、これが樹のもつ本来の美しい樹形です。
クスノキもよく寸胴切りされますね。クスノキは樹勢がすごいのでほんとは街路樹向きではないと思いますが、植えてしまったものはしょうがないので切るしかないって感じでしょうか?
あらゆるところからワサワサ生えてきて容易に復活します。クスノキは日本の巨木ランキングで一番だったと思います。樹齢も千年クラスとかめずらしくなく長寿命なので生命力はすごいんでしょうね・・・
ついでに近くに居た桜(ソメイヨシノ)太枝の中が空洞になってモルタルが詰まってます。
これはよくある樹木治療の一種なのですが、最近は賛否両論ありまして、逆に腐食が進むので何もしないほうが良いとかいう樹木医さんもいらっしゃいます。
こいつは元気なのですが、腐食を止めるには湿気がこもらなければ良いと思います。モルタルが雨をうまく流してる状態なら良いと思いますが、一般的に木材とモルタルの相性はよくないようです。例を言いますと、フェンス等で丸太杭を地面に打って回りをモルタルで固める施工をしたとします。施工後ちょっとの間は土に直打ちより強度はあると思うのですが。年月が経つと金属と違って木材は経年劣化で痩せていきます。そうなるとモルタルと杭に隙間で出来て、そこに雨水が溜まって腐食が加速するそうです。
これ読んだとき「なるほどな~」って思いました。
で、問題はこのサクラの場合は死んだ木材と違って生きてる樹木ですので年々痩せるのとは逆に生長して太っていきます。写真でもわかると思うのですが、モルタルを樹皮が巻き込む感じで成長して結構隙間なくがっちりはまってるように見えますよね?
しかしすべてがこのようにうまく行くとはかぎりませんので賛否が分かれるとこだと思います。 樹木が太るといっても周りの生きてる部分だけで中身は死んだ部分なのでここがまた再生することはありません。その辺を考えて樹木治療をするということでしょうか?
私は前、樹木に洞が出きて湿気がたまって「これはまずいな~」なんて思ったことがありますが、そこをドリルで水抜き穴を開けたことがあります。その後の調子は良かったです。問題は樹木は生きてますので、年月が経てばそのうちドリル穴はふさがってしまうということです(笑)
枝が下向きってのも良いんだと思います(水が抜けやすいですからね)
お隣もモルタル入ってましたが、こっちのが状態は良くないように見えました。太枝が寸胴切りされてますし、直に腐って朽ちそうな感じです、この枝は元から切ってしまったほうが良い気がします。
ソメイヨシノは日本人から一番愛されてる樹木だと思うのですが、その切り方に愛情はありません(笑) どこも大概こんな感じでぶつ切りされてます。そら早々に腐って寿命が短くなるわけです。(ソメイヨシノの寿命は60年とか人間と同じくらいとか言われてて短命のようです)
↓ こちらにその辺くわしく説明されてるサイトをリンクさせて頂きました。
桜の寿命ってどれくらい?ソメイヨシノ以外の種類もまとめて公開